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バイク壊体屋。 部品を取られたバイクの残骸が日光、雨、風にさらされ累々と広がっていた。 ある物はホイールをもぎ取るためにドラム缶の上へかつぎ上げられ、またある物は 原形が解らなくなるくらいバラバラにされ、積み重なり、変形し、錆におおわれていた。 それらの残骸には新品の頃、使われていた頃のはなやかな美しさはすでになくなっていた。 しかし、その朽ちていく過程において、それら残骸は又異なった美しさを持った物に変質しつつあった。 それらの残骸が朽ちはて、土に溶けていく様を見ていると、それらを構成している物質が スチール・アルミニウムはもちろん、ゴムやプラスチック等の石油製品にいたるまで、すべて 土から産まれ出たものであると言う事実を確認する事ができる。 つまり、それら残骸は人間が土から取り出し、人間の都合で「不自然に」組み上げられた物体が 本来あるべき「自然な」姿にもどろうとしていると考えられる。 壊れ、朽ち果てるのではなく単に元に戻るだけだと。 私は累々としたそれら残骸の中に岩肌や樹の幹、森のざわめきに似たものを感じた。 そして、その人工物と自然物が混ざりあうその姿をとても美しいと思いシャッターを切った。 | ||
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